本のレビュー、第6回は、
「アスペルガー症候群の夫と過ごした四十三年間」
林 富江 風詠社 2020年1月24日 84P
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- 総合オススメ度:★★★★☆
- 基本情報:★☆☆☆☆
- 読みやすさ:★★★★☆
- 説明のわかりやすさ:★★☆☆☆
- この本をオススメしたい人:パートナーと思うように意思疎通ができない。パートナーと情緒的な関係を築くことが難しいと感じる方。また、パートナーが自分に対して無関心や高圧的な態度であることを悩んでいる方
- この本に不向きな人:離婚や調停についての情報を得たい方
この本は、タイトルの通り、著者が
アスペルガー症候群のパートナーと過ごした長い日々を振り返り、綴った手記です
著者の林さんは1946年生まれとありますので、70代の方です。
ご結婚は20歳のときだと書かれていましたので、今から50年以上前になります。
私が読み始めてすぐに思ったことは、
”これ、ただのモラハラ夫じゃん”
でした。
時代が時代なので、亭主関白として捉えられてしまいそうですが、そういうこととは違う、とはっきり感じました。
そう、この本を読む前から疑問に感じていたことがあります。め
亭主関白はモラハラなのか
ということです。
「男は外で働くだけでいい、家は女が守るもの」
という考えです。
家事育児は女がやることが当たり前、という時代にはモラハラやそういったことに関して、女性側に不満はなかったのか、ということです。
それはこの本では触れてはいないので、結論はわかりませんが、
この本の著者のご主人は、本を読む限り、スペルガー症候群という発達障害の特性から、相手のことを思いやることが出来なかったりする場面が多く見受けられました。
私にも似たような多々経験があり、そのときの悲しさや辛さが伝わってきました。
ただ、相手の気持ちがわからないということと、相手が苦しむようなことを平気で言ったりしたりすることは違うと思います。
モラハラです。
この本を読んで、共感する部分はたくさんありましたが、
著者の方にもし言葉が届くなら、
「本当に大変でしたね。頑張ったんですね。とても心の優しい方ということが伝わりました。今後は自分を大切に生活なさって下さい。」
そんなことが頭に浮かびました。
周りにいるモラハラ被害者の方に共通して思うことがあります。
”なぜそんなことされても、やってあげるの?”
っと。
モラハラ人間は基本的に感謝の心がないのか、”やってもらうことが当たり前”です。
いつもと同じように出来ていなかったりするだけで激高します。
そんな人の気持ちを害さないように毎日びくびくする生活は生きてる心地がしません。
モラハラに苦しんでいる方は優しい方が多いです。
(私は結婚前は今より優しい人間でしたが、モラ夫のせいでひん曲がった性格になりました。元夫に情のカケラもない非情な人間になりましたが、そうならなければ逃げることは出来ません。)
以前の記事(パートナーが病気だったら寄り添わなければならないのか)にも書きましたが、
離れることでしか解決出来ないこともあります
ご自身の幸せを優先させてもそれはただのワガママや我慢が足りない、ということとは違うと思います。
もうそんな気力が残っていないと思う方もいるかもしれませんが、どうか自分を大切になさってください。
この本を最後まで読んであと、あとがきがあります。
モラハラなどパートナーとの関係に迷いがある方にとって、とても響く言葉だと思います。読んでよかったです。
※ただ、「実母」と「義母」を同様に、「母」としていたり、浮気相手のことを「彼女」としていたり、やたら親戚で出てくる人が多く、文章読解力の低い私にはわかりづらい部分がありました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
akari